何回かに分けて国際結婚の手続きについて書いています。
<1回目>
<2回目>
<3回目>
<4回目>
<5回目>
今回で国際結婚の手続きについての連載は最後になります。メキシコで結婚手続きしたのち、オーストリアへの報告について今回はご紹介していきます。
もくじ
在メキシコオーストリア大使館、担当者不在
ヨーロッパに住んでいると国境が近いためミックス(ハーフ)はたくさんいます。同じEU圏内であれば、どこでも移り住めるしビザは必要ないから、ハーフでもちらかの国籍のみを持っていて、二重国籍取得者は少人数のように思えます。
彼の場合、メキシコで生まれ育ち、高校卒業してから単身でオーストリアに渡り10年以上生活してました。生まれた時から二重国籍を取得し、生涯二重国籍者です。なのでメキシコで結婚しても当然オーストリアでも婚姻届を出しておかないとオーストリアでは結婚していることになりません(彼は独身のままとなってしまいます)。
正直、この手続きが一番大変でした。というのも、大使館のHPにその情報がない。ウェブ検索しても同様なシチュエーションに出会わなかったです。
更に彼が在メキシコオーストリア大使館に電話で確認した時期がちょうどクリスマス休暇と重なり、担当者が1ヶ月も不在。その担当者でないとわからないという。また後日電話すると、別の人が出て、多分がこの書類が必要とか、なんとか。何度か電話しても担当者によって言うことが異なりました。そして結局私が日本へ一時帰国して書類を準備している間にその担当者は戻ってきませんでした。
在日本オーストリア大使館 翻訳認証
メキシコ側が頼りにならないので、在日本オーストリア大使館へ確認してみると、結婚手続きは各国の大使館によって異なるから在メキシコオーストリア大使館では、どの書類が必要になるかはわからないが、在日本大使館の場合は、私のアポスティーユ付き戸籍謄本とその翻訳が必要とのこと。翻訳は決まった翻訳会社しかすることしかできなく、その出来上がった翻訳書類はオーストリア大使館で翻訳認証をしてもらわないとならない。そしてオーストリア大使館へ提出する正式書類の日独翻訳認証ができるのは世界でたった1箇所、在日本オーストリア大使館とのこと。
メキシコでは、私のアポスティーユ付き戸籍謄本の翻訳が必要となるかわからないが、おそらくは必要となるだろうと結論し、出発の12日前にオーストリア大使館指定の翻訳会社トランスユーロ株式会社へ翻訳依頼をしました。
流れは以下のとおりでした。
- アポスティーユ付き戸籍謄本をトランスユーロ株式会社に原本を郵送(持ち込みでもOK)
- 翻訳された戸籍謄本と請求書を郵送で受け取る(翻訳料:戸籍謄本 5,000円+レターパック代 ※支払は銀行振込)※翻訳対応は非常に早く、月曜日に発送したものをその週の土曜日には出来上がった書類が届きました。
- 翻訳された戸籍謄本をオーストリア大使館に持ち込み翻訳認証してもらう(認証料€80(認証料はレートによって変動し2019年1月で10,240円でした))。※認証はその場ではできないので、返送先を記入したレターパックも一緒に持っていき、返送してもらいました。
全ての手続きはなんとか9日間で出来上がりました。
翻訳された戸籍謄本のカバーはこんな感じでした↓
これで、翻訳料 5,000円+税+レターパック代+認証料 10,240円はかなりの出費でした。戸籍謄本なんてある程度のドイツ語力があれば翻訳できるし、それを大使館が認証するのに€80はかなり高いのでは...。
とは言え、メキシコに行ってから必要になって、日本に帰るとか、家族に頼むのは申し訳ないので用意して行きました。
再挑戦 在メキシコオーストリア大使館
メキシコで婚姻届を提出してから改めて、在メキシコオーストリア大使館へ何度目かわからない再挑戦の電話をしました。やっと担当者と話すことができ、結局必要な書類は以下のとおりでした。
自分(日本国籍)が用意する書類
- 日本国発行アポスティーユ付き戸籍謄本1枚 オリジナルとそのコピー
- 戸籍謄本とアポスティーユの翻訳 オリジナルとそのコピー
相手(オーストリア国籍)が用意する書類
- 墺国発行のStaatsbürgerschaftsnachweis(市民権証明書)オリジナルとそのコピー
- 墨国発行アポスティーユ付きActa de Nacimiento(出生証明書)オリジナルとそのコピー
- Acta de Nacimientoとアポスティーユの翻訳 オリジナルとそのコピー
2人で共通して用意した書類
- 墨国発行アポスティーユ付きActa de Matrimonio オリジナルとそのコピー
- Acta de Matrimonioとアポスティーユの翻訳 オリジナルとそのコピー
- パスポート オリジナルとそのコピー
そして結婚手続きは郵送手続きはできないが、グアダラハラにあるオーストリア領事館で行うことができるとのことでした。
メキシコはアポスティーユが高い
市役所のRegistro Civilで彼のActa de Nacimientoと私たちのActa de Matrimonioを1通60ペソで発行してもらい、その近くにある別の役場(?)でアポスティーユをつけてもらいました。
このアポスティーユがなんと1通250.80ペソ(約¥1,400(1MXP=5.6JPY)2019年2月時)もし、日本では無料のアポスティーユがメキシコでは結構します。5~10分ほどで出来上がり、その場でアポスティーユ付き書類をもらえるので、この点は日本より早い対応でした。
それらの書類を彼の家族がお世話になっているメキシコ国認定の独西翻訳者に依頼し、2通で500ペソでした。そしてその書類は日本とは異なり、大使館認証は必要ありませんでした。日本との違いがあまりにも大きすぎ😵
在メキシコオーストリア領事館
グアダラハラにある在メキシコオーストリア領事館に行ってみるとそこには看板もなく、分かりづらい何もないところにありました。住所を宛に行き、中に入ってみると、そこはなんとドイツ領事館とオーストリア領事館が同室内にありました(笑)担当してくれた方もどうやらドイツ側の外交官でした。電話越しでオーストリア大使館の担当と話しながら私たちの用意した書類を一つ一つ丁寧に確認し(彼とメキシコの役所との対応と全く違うね、と関心しました・笑)、不備がないので受理されました。
が、しかし、最後に言われた一言が、『別に結婚報告する必要はなかったのに』と...。まぁ、オーストリア側には送っておくけど、報告したからって何も変わらないよ。将来的にオーストリアに住む時にはあなた(日本人である私)のビザの手続きは別途必要にはなるわよ、と。
それは分かってます。彼だってもし将来的に日本に住むとなればビザが必要になるし、結婚手続きをしたからと言ってビザや市民権が私にできるとは思ってないよ。でも結婚したって言う報告は入れる必要ないの?!
もはや、私にはわけが分かりませんでした。メキシコでメキシコ人と日本人が婚姻したらその3ヶ月以内に在メキシコ日本大使館に婚姻手続きする必要があります。
在日本オーストリア大使館のHPを確認すると、日本でオーストリア人と日本人が婚姻したら法律上在日本オーストリア大使館に婚姻報告をし、市民ステータスを変更(独身→既婚)に変更しなければならないと書かれているけど...。
なぜに在メキシコオーストリア大使館ではその手続きが必要ないのでしょうか...。
今回の結婚手続きで一番大変で、費用のかかったオーストリアへの結婚報告が結果的には必要なかったというのは本当に悔しいし、正直訳分かんない。もはや彼の市民ステータスが変更(独身→既婚)されていない気もする。
こんなこともありますので、皆さんも気をつけてください。
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